【詩】 ミホさん

みほのまつばらが
ずうっと
つづいています

ここまで書いて
みほさんのことが
気になりだした
島尾ミホさんは
昨年亡くなったのである
南の島のひと
ながくつづく砂の浜辺
というのでは
おなじだけれど

松が二本
くねっと
腰を曲げて
とおくには
富士
というと
なんというちんぷな、と
飽きられそうな。
波が寄せてくる・・・ 
しまおみほさんが
ながいスカートをはいて
ゆっくり
富士のほうに歩いていく
遠くなる 人影
このひとと
会ってみたかった
いまはもう
波の音とともに
かなたへ行ってしまった
松は今日も
蒼い
永遠に返す
水の音

富士はむらさきの
かすんだ裾を長く引いている
会いたかったひとが
だんだん 小さくなる
しまいに消えて
富士が
らんらんと
そびえている



※ 島尾ミホさんは島尾敏雄氏の奥さんで作家でもありました。「死の棘」のモデルになった方です。
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by takanak | 2008-01-13 20:03 | 詩です