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【詩】坂道

くしゃくしゃという頭で
すっきりとした柿の葉を見る
柿の葉は オレンジで
午後の陽を受け
透明に光っていた。

わたしは坂を下りる
坂には滑り止めの丸い模様がいくつも彫ってある
とおく街々のビルが光り
窓窓の影が私の目を指す

ああ今日も、と思う
ああ今日も なんとか 生きていた

あのビルにも人々が生きて
手をつないで
ごそごそと。

オレンジの葉がすこし風に揺れる
あたしの生などどこ吹く風で
気持ちよくはらはらと。

どうしたって行きなきゃ、と思う
くだらない人生だったかもしれないが
それだって生きなきゃ、と思う

頭の中がすこしカサコソと鳴って
コンクリの街を行く枯葉より軽く

生きなきゃ
生きなきゃ

風が心地よく頬を叩く
最後の日にも きっと
りんごの実を拾い
きっと。

by takanak | 2022-12-16 22:33 | Trackback | Comments(0)

海辺の美術館の庭から


by なかすぎこう
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